【アドソルGISマガジン】屋内測位の技法[Vol.8]



本日は、「アドソルGISマガジン」第8回目をお送り致します!
前回の記事[Vol.7]はこちらよりご覧ください。


GISを有効活用しよう! ~屋内測位の技法~

前回は、「屋内測位」の概要についてと、屋内測位を活用した身近にあるツールについてお話いたしました。
今回は屋内測位の後編として、屋内測位の技術について深堀りをしていきたいと思います!


屋内測位にはどんな技術が使われているの?

前々回でご紹介したように、屋外の測位には主にGPSを活用します。
GPSは人工衛星の電波を受信してその到達時間から「距離」を計測し、これを複数の人工衛星と行うことで、「位置」を測定します。

それでは屋内を測位する場合は一体どうなるのでしょうか?

タイトル画像

屋内測位では、大きく2つの方法があります。
1つ目は、GPSと同様に、あるランドマーク※に対して「相対的な位置関係」によって位置を表現する方法です。
「相対的な位置関係」という少し難しい言葉が出てきましたね。どういうことなのか身近な話で例えてみましょう。

皆さんも友人と待ち合わせをしていて、中々落ち合えない時は「私は今○○駅の●●像の前にいるよ」と、自分がいる場所を相手に説明することはありませんか?

この時、「○○駅の●●像」というお互いに共通で絶対的な位置が認識されているもの(=ランドマーク)を利用して「●●像の前」と伝えることで、おおよそ自分の位置伝えることに成功していますね。
これが「相対的な位置関係」によって位置を取得する方法、ということになります。

※ランドマーク:山や高層建築物など,ある特定地域の景観を特徴づける目印のこと。


2つ目は、自律的な計測による起点からの位置を算出する方法です。
こちらは、ランドマークやマップ情報などが不明である未知の領域を開拓する際などに用いられます。

またもやちょっと小難しい言葉が出てきましたね。
例えば、迷路などを思い浮かべていただくと良いと思います。
スタートとゴールだけがわかっている状態で迷路に入ったら、スタート位置からゴールの方向を意識しながら「自分がどの方向にどのくらい歩いたのか?」「何回曲がったか?」を覚えておいて、ゴールに近づいているのか、自分がどのあたりにいるのか、を考えながらゴールを目指すと思います。(適当に歩いてたどり着くラッキーな人もいますが・・・)

これが、自律的な計測による起点からの位置を算出する方法、ということになります。


屋内測位で使われる4つの代表的な手法

前項で紹介した方法を自動化できるように、目的や要求精度、計測エリアの環境、コストなどに応じて様々なデバイスや通信規格が開発されています。
先ほどは「方法は大きく分けて2つ」、とご説明しましたが、実は屋内測位で用いられる手法は更に4つの手法に細分化することが出来ます。
それが、「PDR方式」、「RSSI方式」、「超音波・赤外線方式」、「AoA・TDoA方式」の4つです。


先ほどご説明した「相対的な位置関係」によって位置を表現する方法に当てはまるものは、「RSSI方式」、「超音波・赤外線方式」、「AoA・TDoA方式」です。
また、これらで用いられる電波や超音波・赤外線以外にも可視光や超音波を用いた方法が研究開発されています。
一方で、自律的な計測による起点からの位置を算出する方法に当てはまるものは、「PDR方式」です。
この4つの手法はそれぞれ特徴や強みがあり、適する場面や状況が異なります。

次はこの4つを比較してそれぞれの特徴と適したケースについて詳しく見てみましょう。


各方式の特徴と強み

各方式を精度、コストの観点でまとめると下記の表のようなイメージとなります。


●PDR(Pedestrian Dead Reckoning)方式
人が所持する端末で移動した方位と距離を算出する方式です。最近ではスマートフォンが用いられることもあり、専用機器を設置する必要がないため導入コストを抑えることできます。 例えば、来店したお客様のスマホの情報を活用したスーパーのマーケティングなど、コンシューマを対象とした測位に活用されています。

●RSSI(Received Signal Strength Indicator)方式 ※電波
端末からの電波を強く受けた場合は"近くにある"、弱く受けた場合は"遠くにある"と判定する方式です。例えば、倉庫内の備品の位置を検索することに適しています。 BLEビーコン※などを利用することが多く、簡易に設置でき、他方式と比べてコストを低く抑えることができます。 ※BLEビーコン:Bluetooth Low Energy の略で、近距離無線通信技術Bluetoothの拡張仕様の一つで、極低電力で通信が可能なものを指します。

●超音波・赤外線方式
特定の場所への出入りや測位する範囲が小さい場合に向いています。例えば、入退室管理など特定の場所の通過を検知する場合に適しています。 同様の測位方式として光通信や磁界トリガ(発生させた磁界の中にいるのかを検知)などもあります。

●AoA(Angle of Arrival)/TDoA(Time Difference of Arrival)方式 ※電波
AoA/TDoA共に、RSSI(電波)方式より精度が確保でき、数cm、数十cm程度の精度が実現できます。例えば、高精度であることを活かして、フリーオフィス内のどこに誰がいるのかをピンポイントで把握することができます。 TDoAについては、端末間の時刻を同期する必要があり、システムが大掛かりとなる場合があります。



屋内測位技術がもつ可能性

屋内測位は日々の技術革新と共に、製造業・オフィス・病院・公共の場など、私たちの生活に密接した様々な場所・場面でも活用されるようになっていくと考えられています。

人やモノの位置を把握できれば、特定の人に対して今いる場所の近隣店舗の情報を配信したり、音声案内を再生したりなど、様々な便利サービスを提供することが可能となります。
また、収集した位置情報を分析することにより、業務効率の改善に活かすこともできるのです。
その他にも、建物内で災害・事故発生した場合に被災者を特定して迅速な救助を可能にしたり、お店に来店したお客様の動線の情報を元に適切な広告をリアルタイム配信したり、など、より便利で快適な生活を実現することに役立つと期待されています。


いかがでしょうか?
屋内測位がどのような技術で、どういうことが出来るのか、なんとなくイメージが湧きましたでしょうか?
今回は、屋内測位シリーズ後編ということで、様々な屋内測位方式について例を交えて詳しくご紹介させていただきました。

今後もGISについて様々な角度からの切り口で有益な情報をお届けして参りますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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